おとなになるということ

自由と責任のバランスをとれるようになること。別れを受容すること。悲しみや寂しさと、なんとか同居しようともがくこと。くすっと笑えた出来事を話そうと思った相手が、もう居ないと気づくこと。三十歳を過ぎてもなお毎年届いていたバースデーカードが、もう届かないと気づくこと。濡れた鼻が、あたたかいふわふわが、もう指先に触れることはないと気づくこと。別れはその辺に散らばっていて、時に自分のものではないそれが傷口に触れて痛むこともある。新たな生命を育んでいない私は、今後別れを受けいれるばかりになる予定で、しかしそれに慣れる日が来るのかはまだわからない。

自分で書いたくせに鋭利な刃物のように心を抉ってくるけど、ただ無言で飲み込めるほど大人ではなかった。大切なものをなくしたその瞬間より、ずっと後になってから突然つき刺さる現実の方がつらい。せめて身の回りのみんなが少しでも平穏でいられますように。

組み合わせは無限!

お気に入りのシーンを集めて、キミだけの枕草子を作ろう👊!

と、思って原文と現代語訳を読んでいたら「それな」すぎて書くことがなくなった。でも書くよ。キミの枕草子も待ってるぞ!

 

◇春

春はあけぼの、まじそれな~!でも天気の良い正午の、薄っすら白いオーガンジーをかけたような青空も春!!って感じがして好き。春の生ぬるくて強い風も好きだし、ほのかに草花の香りを乗せたそよ風も好き。冬鳥がすっかり帰ってしまって、春の鳥が歌っているのも好き!あと桜並木に風が吹き抜けたときの、花びらのカーテンみたいになる瞬間。街ゆく人の服装が軽やかになって、柔らかなスカートが揺れている様子。その年初めての蝶々を見かけた時。たんぽぽが咲いてるのを見つけるのも大好き。スギ花粉は嫌い。

◇夏

夏は夜。わかる。まあ夏暑くて嫌いなんだけど、日差しが反射して海が煌めくのは好きさ。真っ青な空と海が水平線で溶け合いそうでまったく溶け合ってないのもいい。遠くに聞こえる花火の音はわくわくする。もちろん見るのも好き。夏の夜なら上質なベルベットみたいな空に、無数の星が輝いている様子が大好き。湿度と猛暑日は嫌い。

◇秋

秋は夕暮れ。本当に、そう。「日が短くなったな~」って思いながら終業後に外に出たら、薄っすら夕焼けに染まっている空が見られて最高。燃えるような橙よりも、静かに夜に移り変わっていくような、薄い紫と金のグラデーションはまじで本当によい。まだ少し湿っているけどすっかり冷たくなった風が頬を撫でて、辺りでは秋の虫が歌うわけ。紅葉もどんぐりも好きだけど、秋はこれが本当に最高さ。あとは遠くから香る金木犀も好きさ。この時期の蚊は一番痒いので嫌い。ブタクサ花粉も。

◇冬

冬はつとめて。わかりすぎてしんどい。冬の朝の刺すような冷たい空気、鼻の中凍るし温度差で激しくむせるけど、最高なんだよな~!静謐さが匂いになったらこんな感じ!って香りがするよ(多分)。冬になって一番最初にきこえるヒヨドリの叫び声も、季節の移り変わりを感じてなかなか風流だよ。毎朝となるとうるさくてかなわんよ!あとは日の出が遅くなるから、ちょっと早起きすると朝焼けが見れるのもいいところ。私が唯一わかる星座、オリオン座が見れるのも好き。それら一切をかなぐり捨てて、あったかい布団でずっとぬくぬくしてるのも最高。室内で眼鏡が曇るのは嫌い。

 

祭りのあと

※写真は、夫が「文字化けしてるね」って言ってた屋台の一部

ご存知の方もいるかも知れないが、とても億劫に思っていた祭りが無事終わった。結論から言うと、結構楽しかった。

この時期「播州秋祭り」と言って、播磨地区で大小様々な秋祭りが開催されるのだそうだ。毎年、氏子の地域からは屋台(神輿ではないらしい)が駆り出され、なにやらする。練りまわったりとか。詳しくはWikiで!

北海道出身の私はそんな祭りなど知らないので、職場で訊いたり検索したりすればするほど「ヤカラが集まる野蛮な祭りなのかも知れない、どうしよう……」と怯えていたのだ。はじめての町内会、はじめての組長、はじめての祭り、はじめての氏子。な~んにもわからん。誰か助けてくれ!

そんな思いで恐る恐る迎えた1日目(宵宮)、それはもう平和だった。ヤカラどこ?暑苦しいお祭りジジイは、どこ?屋台小さくない?人少なくない?掛け声小さくない!?あっ大丈夫だわこれ!

と、思い始めたころ、一緒に参加した夫が人々に声をかけられるようになった。小さな地域の小さな祭りに参加する、大きくて力のありそうな外国人。珍しいよね。意外にも?「参加してくれてありがとう」とか「楽しんでね」などと言ってもらえ、かなり緊張が解けた。

続きを読む