祭りのあと

※写真は、夫が「文字化けしてるね」って言ってた屋台の一部

ご存知の方もいるかも知れないが、とても億劫に思っていた祭りが無事終わった。結論から言うと、結構楽しかった。

この時期「播州秋祭り」と言って、播磨地区で大小様々な秋祭りが開催されるのだそうだ。毎年、氏子の地域からは屋台(神輿ではないらしい)が駆り出され、なにやらする。練りまわったりとか。詳しくはWikiで!

北海道出身の私はそんな祭りなど知らないので、職場で訊いたり検索したりすればするほど「ヤカラが集まる野蛮な祭りなのかも知れない、どうしよう……」と怯えていたのだ。はじめての町内会、はじめての組長、はじめての祭り、はじめての氏子。な~んにもわからん。誰か助けてくれ!

そんな思いで恐る恐る迎えた1日目(宵宮)、それはもう平和だった。ヤカラどこ?暑苦しいお祭りジジイは、どこ?屋台小さくない?人少なくない?掛け声小さくない!?あっ大丈夫だわこれ!

と、思い始めたころ、一緒に参加した夫が人々に声をかけられるようになった。小さな地域の小さな祭りに参加する、大きくて力のありそうな外国人。珍しいよね。意外にも?「参加してくれてありがとう」とか「楽しんでね」などと言ってもらえ、かなり緊張が解けた。

2日目の本番(昼宮)はより人が集まり、祭りの雰囲気に。子どもたちが曳くだんじりと、猿田彦のみなさん計4名に挟まれ、おそらくこの地域独特の「ヨイヤサー」という掛け声とともに町内を練り歩く。宵宮でもしたけど、やっぱり昼宮のほうが立派な感じがした。

そのまま宮入して、前の方でなが~い神事とかしてる間に色々はじまってた。能とか竹割りとか……竹割りすごかった!太くてでっかい竹に登ったり、バラバラに割れる(裂ける)まで地面に打ち付けたりしていた。原始的だけど、その場にいると結構楽しい。

その後、他の地域の立派なゲスト屋台をお迎えした。キッズが立派な衣装を来て屋台野中で太鼓を叩いているのだが、普通の棒みたいなバチじゃなくて手杵みたいな形だったり、振り付けのようなものがあったりですんごい格好良かったんだけど、写真撮るのを忘れました。あとゲスト地域の練り子のみなさん、まわし姿で大変驚いた。尻出てますよ!この辺の一部地域のみらしい。

ゲスト地域は2ヶ所あり、この2ヶ所の屋台を練り合わせる。けんか神輿のような野蛮さはなく、隣り合っておしくらまんじゅうのように押し合うのだ。力いっぱい押し合って、あっちにフラフラこっちにフラフラ、先に力尽きて屋台が地についた方が負けらしい。今年は、より若者の多いほうが勝っていた。そらそうだ。テントを潰されるのではないかというようなハラハラ感、程よいスリルと興奮を味わえた。

あとなんだっけ、猿田彦にちょっかいをかけて、棒で追い払われるやつもした。赤囃子と呼ばれるらしい。確かに猿田彦たち、赤って呼ばれてた。

 

色々を終えて屋台を倉に入れたら、だんじりと共に帰る。公会堂に到着してからも、踊ったりだんじりを全速力で曳き回したりしたら、あとは夜が更けるまで飲み明かすのだ。しばらく「地元愛」って感じのおじさんに捕まったけど、そう遅くならずにお暇に成功。

昔、祭りは出会いの場としても機能していた、というのを耳にしたことがある。全力で何かに取り組んでいる人間は輝いて見えるものだし、昔の娘たちはさぞ胸をときめかせたんだろうな、と感じた。祭り、結構いいものだった。ありがとうございました。